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さだまさしさんが発起人、「高校生ボランティア・アワード」が10回大会

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 全国の高校生がボランティア活動、探究活動を報告し交流する「高校生ボランティア・アワード」は今年で10回目の節目を迎え、8月23日から2日間、都内の会場に過去最多の123団体が集まった。今回は能登半島地震の被災地から4校の生徒が参加。大会委員長を務める歌手のさだまさしさんは、「一途に小さなことだけれど、一生懸命やっている子が大勢いる。そういう人たちの活動を見て帰ってください」と呼びかけた。
 能登半島地震の後、何度も被災地を訪ねて現地の人たちを励ましてきたさださん。10年前に「風に立つライオン基金」を発足させ、高校生を顕彰するなどしてきた。企業の協力を得て会場までの交通費を負担するなどしている。
 石川県立七尾高校のブースでは、小学校での防災教育について発表。探究活動に位置付け、生徒が七尾市内の小学校を訪ね、40分間ほどクイズを交えて、地震発生時の行動を教えるなどした。対象は5年生。
 同校は普通科の他、国際的コミュニケーションの力の育成に重点を置くコースや、理数科がある。3年生になると、これらのコースの枠を超えて班を作って、能登半島地震からの復興を主題とした探究活動を行っているという。
 このうち、7人組の班が小学校での防災教育に臨み、ボランティア・アワードで活動を報告するに至った。
 また、水道施設があまり復旧していない県立穴水高校は、特大シイタケの生産について発表。原木に穴を空けて菌を打つところから、シートで覆って冬を越し、年明けごろ収穫する。授業の一環ではあるが、日ごろの手入れはボランティア活動となる。
 今年1月に出荷したシイタケは8個で20万円の根がついた。シイタケ栽培を通し、能登の魅力発信を目指すという。
 今後について、さださんは、「10年、20年、30年と続けていきたい。早く安心できる(よう)バトンを渡したい」と話した。
 本年度は5月23日まで、参加申し込みを受け付けた。198団体から応募があった。審査を通過した高校生団体が今回の全国大会に集まっている。

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