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できるリーダーが「1人のとき」にやっていること マネジメントの結果は「部下と接する前」に決まっている

12面記事

書評

大野 栄一 著
内省する時間が育む指導力

 本書で言う「リーダー」とは「関わった皆から出会いそのものを感謝される」ような「祝福的なあり方」を条件として備えているリーダーのことである。
 こうしたリーダーになるために必須なのが「豊かな1人の時間」を持つことであり、一人で内省しながら、意識的に「思い込みを捨てて、ものごとを自由に見る力」を養う「思考を自由にする時間」、「本質に目を向けさせてくれる問いを立てる時間」、「部下の内面に語りかけ、『仕事の面白さ』や『働く意味』を呼び起こす力」「喚起力を高める時間」、「人を動かす仕組みを生む時間」を過ごすことによって、優れたリーダーとしての資質・能力を育むことができるという。
 具体的には「思考自由度」(第1章)から「問いの力」(第2章)、「喚起力」(第3章)、「構造デザイン力」(第4章)で、計29のポイントを掲げて解説していく。
 例えば、部下を「フラットに見る『観察力』」を身につける」(思考自由度2)を示し、「いい問いは『時間のゆとり』から」(問いの力7)ではスケジュールに内省する時間を組み込むことを提案。「『考える余地』を奪わない伝え方を身につける」(喚起力6)ことや、「人と対話する」(構造デザイン力3)必要性を指摘する。
 ビジネスの世界だけでなく、仕事をするリーダーとして成長するための啓発書として、教育関係者にも琴線に触れる部分があるのではないか。
(1980円 発行 日経BP発売 発売 日経BPマーケティング https://bookplus.nikkei.com/
(矢)

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