一刀両断 実践者の視点から【第705回】
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養護教諭の対応範囲
文科省の来年度予算概算要求では、養護教諭2人配置校を増やすというが、学校現場からのため息が聞こえてくるようである。
仮に児童が骨折した場合養護教諭は付き添って病院へ同行する。その時に残された児童が転倒して意識を失った場合は誰が対応するのであろうか?
また、自然災害が起きた場合はその対応が教師に求められる。AEDは使えてもその対応範囲は限られている。さらに不登校支援も重なると養護教諭の守備範囲はかなり広くなる。
私の経験からしてせめて児童数500名以上の学校は複数配置にしないとカバーはしにくい。若手教員の経験は希薄であり、多動な児童や特別支援学級などへのカバーと職務の多様化からしてとんでもない範囲となる。
さらに教職員の健康も管理するとなると、書類の管理や保護者への説明も含め病院の事務から看護時には医療行為までやる事になるのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。千葉県教委任用室長、主席指導主事、大学教授、かしみんFM人生相談「幸せの玉手箱」パーソナリティなどを歴任。教育講演は年100回ほど。日本ギフテッド&タレンテッド教育協会理事。)