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「死にたい」「消えたい」、相談先は生成AIが多く

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 「死にたい」「消えたい」との思いが募った際、相談相手として「生成AI」を挙げる子どもが多いことが自殺対策に取り組むNPOの調査で分かった。家族や教員を大きく上回っている。「そもそも相談しない、相談できない」との回答も多かった。
 調査は、自殺対策支援センターライフリンク(清水康之代表)によるもの。昨年3月、インターネット上に、生きづらさを感じている子ども、若者のための「隠れ家」を設けており、それを利用している18歳以下の人に、協力を求めた。1186件の回答を集計した。
 「しんどい」と感じている原因を2項目まで挙げてもらったところ、家族(39%)、勉強・成績・進路(34%)、友達(27%)の順に多かった。
 「死にたい」「消えたい」と感じることの有無については、「いつもある」が26%、「よくある」が26%、「ときどきある」が28%、「ほとんどない」が6%などとなった。
 そのような気持ちを相談できる人の有無に関しての設問では、20%が「いる」、41%が「いない」、34%が「そもそも相談しようと思わない」と答えた。
 「死にたい」「消えたい」という気持ちが抑えきれなくなった場合の相談先を尋ねると、最多は「生成AI」で26%を占めた。
 以下、「そもそも相談しない、できない」(19%)、「SNS相談窓口」(10%)、「身近な同年代の人」(9%)、「SNS、ネットでつながっている人」(9%)が続いた。
 「家族」は8%、「学校の先生、スクールカウンセラーなど」は7%にとどまった。
 清水代表は8月27日の記者会見で、「生成AIに自殺防止の相談を任せればいいとは全く思っていない」「子どもにとって生成AIが一番身近な存在になっていることは事実だろう」と話し、まずは生成AIで相談を受けた上で、人が対応する体制が有効との見解を示した。

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