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単位削減、認定試験の見直し提案 中教審が論点整理案

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 文科省は1日、中央教育審議会の教員養成部会に論点整理案を示した。教職課程の必要単位数の削減や、民間団体による教員資格認定試験の参入を盛り込んだ。部会は来年8月から秋にかけて答申をまとめる。

 教員養成部会は、教員不足の解消や多様な専門性を持つ教員の確保を目指し、1月から議論してきた。論点整理案では、

 ・教職課程
 ・採用と研修
 ・社会人の教職参入を促す制度

 ―の3点について改善の方向性を示した。
 教職課程では、必要単位数の見直しの他、学ぶ内容についても最小限に減らし、学生の選択性を高めた柔軟なカリキュラムとすることを提案。一方でデジタルの学習環境を前提とした指導方法の充実を求めた。
 具体的な必要単位数について、これまでの会議では2種免許相当(35単位程度)とする考えも出ていたが、今回の論点整理案には盛り込まれなかった。
 大学と教育委員会による連携にも言及した。特定の地域などに勤務する教員を育てる「地域教員希望枠」の拡大を求めた。
 採用については「他職種と同じ市場で人材獲得競争をしている現実を前提に採用戦略を設計することが必要」と指摘。採用試験の日程の早期化や、教委の業務負担を減らす一次試験の共同実施を引き続き進めることを示した。
 また教員の一時的欠員を埋めるために退職教員などを活用する日本版の「サプライティーチャー」の導入を検討することとした。
 社会人の教職参入を促す制度設計では、教員資格認定試験の見直しや大学院での新たなプログラムの開設を求めた。
 具体的には、現在は教職員支援機構だけが実施している資格認定試験について、受験者を増やすために民間団体も実施できるようにすることを提案した。大学院での新たなプログラムは、一種免許を持たない院生が、大学院在学中に短期間で免許状を取得できる仕組みが想定されている。
 一方、教職課程の単位削減を巡っては、教員免許の質保証の策を求める意見が上がっている。論点整理案には教職課程編成の指針となるコアカリキュラムの作成や、大学による自己点検の強化を盛り込んだ。
 教員養成部会では次回も論点整理案を議論した後、テーマごとの作業部会を設けて詳細を詰める。

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