一刀両断 実践者の視点から【第706回】
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教師による犯罪を防ぐには
愛知と神奈川の教師による児童盗撮問題で、容疑者がもう1人、特定できたようである。このような犯罪を共有するに至った出会いはどこにあったのだろうか。
恐らくは、同じような行為に手を染めそうな仲間にしか話さないだろう。中には断った者もいたかもしれない。止めなかった者とも言える。こうした人物を採用参考で見極められるかと言われたら不可能である。
個々人の信条や趣味の範囲すなわちプライベートに介入できないからである。よって、未然には防ぐことは難しい。
ただ、職場での雑談や世間話、憂さ晴らしの飲み会などでの発言から、予兆のようなものや、犯罪をにおわせるようなものが感じられるかもしれない。そうなれば、要注意人物から目を離さないようにし、行為を制御できるのだが、そうした機会が激減している。
勤務時間を過ぎたら、確認も介入も指導も出来ないのが現状である。
教員による犯罪を決して起こさせないよう、教員養成段階から何らかの手を打つべきではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。千葉県教委任用室長、主席指導主事、大学教授、かしみんFM人生相談「幸せの玉手箱」パーソナリティなどを歴任。教育講演は年100回ほど。日本ギフテッド&タレンテッド教育協会理事。)