災害時に長期化する断水や避難生活を支援
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非常用生活用水浄化装置「ウォーターリリーフ」
熊本地震(2016年)において内閣府が実施したアンケート調査では、避難所で不足していたものとして「生活用水」が「飲料水」を上回る割合で挙げられている。令和6年の能登半島地震でも、長期化する断水により生活用水の確保が困難となり、避難者の健康的な生活に深刻な影響をおよぼした。すなわち、避難生活において最も不足していたのは、洗濯・手洗い・入浴など多用途に使用される“水”である。
この課題は、政府が策定した「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」にも明記されており、飲料水と生活用水の両面からの対策が求められている。
こうした背景を踏まえ、飲料水は備蓄水や給水車によって対応し、生活用水は別途供給するという水質要求に応じた二元化を図ることで、効率的な被災地支援を可能とする装置として開発されたのが、「ウォーターリリーフ」だ。
本装置は、避難所となる学校のプール水や、川・池・雨水などを浄化し、洗濯・手洗い・シャワー・入浴などに使用可能な生活用水として供給することができる。
製品の特長
①パウダーコーティングろ過方式により低コスト運用が可能
ろ過材には天然素材である珪藻土を使用しており、安価かつ安定供給が可能である。初回納品時に付属するパウダーにより、学校プール1杯分の生活用水を生成できる。
②誰でも簡単に操作できる設計
パウダーを投入し、ボタンを押すだけでろ過が開始されるシンプルな操作性を備えている。家庭用電源、ポータブル発電機、EV車の電源でも稼働可能。
③厚生労働省基準に準拠した水質で安心
処理後の水質は、厚生労働省が定める浴槽水・遊泳プール水の基準に相当する。使用する珪藻土パウダーは食品添加物(加工助剤)としても利用されており、安全性が高い。さらに塩素消毒を施すことで、衛生面の安全性を強化している。
主な仕様
・最大処理水量:最大2000リットル/時(シャワー4口同時使用可能)
・処理水質:浴槽水、プール水並み(厚生労働省基準)
・電源:AC100V(50/60Hz)
・消費電力:最大600W
・寸法:全長800mm×全幅450mm×全高797mm(カバー・ボルトを含まず)
・重量:約80kg
・付属品:交換用パウダー(1回分小袋×100個)、活性炭カートリッジ4本、塩素系消毒剤(錠剤2・5kg)、入り口側ホース5m、出口側ホース10m、スパナ等。