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全中廃止も視野 日本中体連

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 日本中学校体育連盟が、全国中学校体育大会(全中)の将来的な廃止を視野に検討していることが分かった。新宮領毅専務理事が27日、国の有識者会議で明らかにした。自治体から認定を受けた地域クラブのみに参加を限るなどの見直しも進める。
 新宮領氏は会合で「今後の地域クラブ活動の参加の実績をもって今後の見直しも考えていくという流れ。近い将来に全国大会をなくすということもその選択肢の中にある」と述べた。地域クラブの参加状況などを踏まえて検討するとした。
 令和5年度から地域クラブも参加できるようになったことが背景にある。一部競技では、プロ傘下のクラブが全国上位に進出する状況も出てきた。
 また、地域クラブ活動に関しては現在、質の確保のため、国が示す活動時間や運営体制などの要件に照らして自治体が審査して、「お墨付き」を与える認定制度が検討されている。認定を受けたクラブには、学校施設の使用料減免などを受けられるようにするというもの。
 一部自治体では国のガイドラインなどを参考に、認定制度を導入しているが、「認定を受けなければ、制限を受けなくていい」として勝利を掲げ、優秀な選手を選抜して編成するチームも出てきている。
 今後、認定地域クラブ(部活動)と認定を受けないで活動する地域クラブ、民間のクラブが混在することになる。国のガイドラインに従い、練習時間は平日2時間、休日3時間程度で少なくとも週2日以上休養日を設ける認定クラブと、その制限がないチームが大会で戦わなければならなくなる。
 中には、競技団体主催の大会では勝ち上がるのが難しいとして、あえて中体連の大会に参加するところもあるという。
 日本中体連幹部は取材に、認定を受けない地域クラブや民間のクラブチームは、全中ではなく、競技団体が主催する大会へ参加を促す考えを示した。競技団体とも協議して同じ中学生年代の中でも参加者のすみわけを図りたい狙いだ。
 今後、認定制度の導入状況や地域クラブの参加実績を踏まえ、認定クラブのみに限る方式も検討する。全中に出場するのが、一部の民間のクラブや、認定を受けない地域クラブに偏る場合には、日本中体連による全中を廃止し、競技団体に委ねることも視野に入れているとしている。

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