算数・数学WG 小中高で7領域に統一を提案 慎重論相次ぐ
NEWS
中央教育審議会教育課程部会の算数・数学ワーキンググループの第3回会合が12日開かれ、教科の一貫性や系統性を持たせるため、学習内容を小中高で7領域に統一する案を事務局が示した。また各領域を区分に分けることも提案した。一方、委員からは「学習内容間の関係が見えにくくなる」などとして、細かな区分設定に慎重な意見が相次いだ。
現行の学習指導要領では、小・中学校は4領域、高校の必履修科目数学Ⅰは4項目で学習内容を整理している。次期学習指導要領に向けて、全ての教科で内容の再整理を進める中で「数と式」「集合と命題」「図形」「量と測定」「二量間の関係」「関数」「データの活用」の7領域に再編する。さらに各領域は指導上の分かりやすさを考慮し、数と式では「数」「計算」「式」「方程式・不等式」などの区分を設ける案を示した。学習の系統性を可視化し、指導計画の見通しを持ちやすくする狙いがあるという。
しかし、意見交換では、「数の理解と計算は不可分であり、区分が分かれることで一体的理解が損なわれるのではないか」「領域名が数学寄りになると小学校教員にとって扱いづらくなる」「比例・反比例が関数領域に入る整理は必要だが、概念が複数領域にまたがるものも多い」などと懸念が示された。データ領域では「記述統計と推測統計を分けすぎると学習が断絶して見える」との指摘もあった。
事務局は、領域・区分ごとに整理する「高次の資質・能力」について、今後さらに議論を深めるとしている。

