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いまこそ、変わる!変えられる! PTAアップデート

13面記事

書評

下方 丈司 著
現代に通用する組織への道筋提示

 平成23年度子どもの小学校入学。27年度から子どもの卒業までの令和元年度までPTA会長として「強制のないPTA」から「さわやかなPTA」へと変わる軌跡を時系列的にまとめた第1章(「強制のないPTA」を目指して)は、各地でPTA改革に取り組む人たちに大きな示唆を与えてくれるのではないか。
 「一子一回ノルマルール」をなくし、「イヤイヤ参加」や「PTAには近寄らないのが吉」という雰囲気を払拭するため、総会前日の新旧役員の引き継ぎの場で儀式化していた「全委員会」の廃止、「参加したい活動を主体的に選んで参加する」「活動エントリー制」導入、新しいサークルを作れる仕組みづくり、メール配信システム導入、個人情報の取り扱いと入会意思の確認、各地区委員の選出や交通当番の見直し、これらを含む会則の整理など、「強制のないPTA」になるための課題を一つ一つ解消していく。
 基本にあるのは全ての会員が対等の発言権や参加権利を持ち、話し合いと手続きで決めていく「民主的な運営」。
 PTA改革の試行錯誤から論稿として結実したのが、これまでのPTAとそのアップデート、未来予測をまとめた第2~4章である。
 戦後、社会教育関係団体として発足した、もともとの意義を再確認しつつ、状況が変化した現代に通用する組織へと脱皮する道筋を提示し、刺激的である。
(2200円 学事出版)
(矢)

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