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AIは私たちの学び方をどう変えるのか BRAVE NEW WORDS

20面記事

書評

サルマン・カーン 著 稲垣 みどり 訳
負の側面踏まえ有効活用するには

 急速に進歩するAI技術に教育界も対応していくことは必須。学校ではGIGAスクール構想によって1人1台端末をはじめICT環境が整備され、タブレットを活用した授業が展開されている。さらに生成AIの登場。文科省から生成AIの利活用に関するガイドラインも提示され、大きな影響力を持つことは周知の通り。本書は多くの教育関係者にとって関心の高い内容だ。
 著者は非営利団体「カーンアカデミー」の創設者兼CEO。カーンアカデミーは「世界中の誰でも、どこにいても無償で世界クラスの教育を」というビジョンの下、立ち上げられた。既に世界で数億人が利用しているそう。AIが一人一人に個別最適化して学習材を届けるので自分に合ったペースで勉強できる。テクノロジーの力で、教育の常識を覆した。
 生成AI等の技術革新がもたらす負の側面が不安という意見も多いはず。教師は不要になるのか、共に学び合う姿はどうなるのかという懸念も生じるだろう。著者は「テクノロジーをどう使うかが大切」という。教育分野では社会的なつながりを強め、感情的な発達を促し、人格を向上させる手段として使うことを理想とする。また、習得すべき最も大切な領域は「自己肯定感の向上」で子どもたちにやる気を起こさせ、責任を持たせることを大事に進める。AIを活用し個別最適化された学びを創造する上で多くのことが学べる一冊。
(2200円 東洋館出版社)
(藤本鈴香・大谷大学教職アドバイザー)

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