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教育ZEN問答 N高をつくった僕らが大学を始める理由

12面記事

書評

川上 量生 著
既存の学校への“挑戦状”

 今や全国の高校生のうち約10%が通信制課程だ。その中でも最も多くの生徒を擁するのが2016年に開校した「ネットの高校」N高校。2025年にはN高グループを系属校とするオンライン大学のZEN大学も開学した。本書は、これらをつくった著者による教育論、社会論である。
 著者は、N高やZEN大学を通じ、教育業界が抱える病理や課題を本気で解決していこうと考えている。
 N高が目指すのは、全日制に行けない生徒のための第二の選択肢ではなく、第一の選択肢となる「ネットの高校」だ。だから「不登校」もNGワードにしている。生徒が「自己肯定感を高める」ことと「友だちをつくる」ことを特に重視し、教育内容、教材のレベル、スクーリングの時期や回数などにも徹底的にこだわる。こうした姿勢には共感する教育関係者も多いのではないか。
 一方で、教育界への厳しい直言もある。「社会で競争していく自信がないために(中略)教師になっている人が一定数いるようです」「理屈っぽいイデオロギーを振りかざす人が(中略)多い」などの指摘をどう受け取るか。
 反発を感じる人もいようが、外からの目を知ることも大切だ。既存の学校も負けてはいられない。競い合い高め合うライバルからの挑戦状だと思って読まれてはどうだろうか。
(968円 中央公論新社(中公新書ラクレ))
(浅田 和伸・長崎県立大学学長)

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