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学校管理職の“こじらせない”保護者対応 対話でクレームが信頼に変わる

19面記事

書評

『教職研修』編集部 編
各専門家の多角的視点で解説

 管理職に相談が来る時点で、既に問題はこじれにこじれている。そうでなければ、その前に学年主任の段階で、さらにその前の段階で担任が解決しているからである。どの段階においても解決に至らなかった事案に対し、本書は、敵じゃないんだ、子どもの成長を共通の目標に持つパートナーなんだ、という姿勢の下、「対話」をキーワードに管理職の実践的な対応方法を紹介している。
 昨今の傾向として、文書回答を強く求めてきたり、SNS等で炎上したりすることが身近になった令和時代。また、子どもの安全等を保障することとともに、教職員を守る という管理職独特の難しさがある。本書はこれらの諸問題に対し、臨床心理士や学校経営アドバイザー、弁護士等各エキスパート からの多角的な視点で解説されている。
 保護者は多様である。怒りまくっているのか、絶望しているのか、わらをもすがる思いなのか。もしかすると発達障害の傾向があるのかもしれない。しかし、どのタイプにおいてもクレームとしてではなく、子どもの成長に向けた意見交換と捉え、空振りは許されるが、見逃しは許されない鉄則の下、「対話」を通して「こじらせない」仕組みづくりを共に考え、話し合っていきたいと提言している。
 今現在、対応に苦慮されている管理職への心強い一冊となるであろう。
(2420円 教育開発研究所)
(青木 一・信州大学大学院特任教授)

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