AIと仲間と学び合う 生成AI×対話×仲間=新たな学びの領域へ
19面記事
梅野 哲・益川 弘如・豊田 大登 編著 相模原市立中野中学校 著
「ダブルバディ」で培う問う力
令和5年度から文科省のリーディングDX事業・生成AIパイロット校の指定を受けた相模原市立中野中学校の目指した方向と実践を、序章と六つの章にまとめた。新たな取り組みだけに、さまざまな工夫がある。
同中学校区では9年間、「深い学びへとつなげる協働学習のシステム」として「話し方・聴き方」を四つのレベルに設定した「学びのスタンダード」を共有する。例えば「聴き方」はレベル1「反応しながら聴く」からレベル4「自分の考えを広めたり深めたりしながら聴く」まで。「学びのスタンダード」の生徒への浸透を狙い、「教師のスタンダード」を創設し、目標を明確に伝える、教師の話す時間は最小限などを意識した授業づくりに努める。
こうした土台の上にあるのがAIを活用した協働の学びである。特徴的なのは学ぶ仲間を「ヒューマンバディ」、生成AIも共に考える仲間「AIバディ」と位置付け、課題解決に取り組む「ダブルバディシステム」と呼ぶことだ。
質問などをプロンプトとして入力、生成AIに答えを丸投げするような使い方ではなく、まず生徒たちが自分の考えをまとめ、その考えをAIに投げ掛け、考えをブラッシュアップする様を実践事例に見ることができる。伴走する研究者が経年比較した生徒のプロンプト内容の変化は、問う力の成長の証しである。
進歩著しい生成AIを授業にどう生かすか、関心のある方はぜひ読んでほしい。
(2310円 明治図書出版)
(矢)

