自分のペースで子どもが伸びる! 学級づくりからはじめる自由進度学習
14面記事
若松 俊介 著
気付き、動き、協働の過程を後押し
著者は「自由進度学習」を、ある特定の方法ではなく、子どもたち一人一人の興味・関心、学習スタイル、習熟の度合いに合わせてその子にふさわしい学びの在り方を一緒に見つけ、その子が自らの学び方をつくっていく、教室に生まれる学びの文化として捉える。
これを支えるのは学級づくりだ。「教師が決めなければならない」という意識を見直し、学級の安全と学びの方向性を見守りながら、子どもたちが自ら気付き、動き、協働するプロセスを後押しすることが重要になる。
また教室では「一人でできること」と「仲間がいるからこそできること」のバランスを意識することが不可欠だ。例えば、話し合いは「結論を出す」ためではなく「共に考え続ける」ための場だから、話し方や考える速さが一人一人違うことも包み込んで、みんなが参加できるようにする。
特に共感するのは、「自分で選べること」より「自分で選びたいと思えること」「うまくできること」より「自分に合ったやり方を見つけようとする姿」を大切にするという、子どもたちの過程を動的に見る目線だ。
対談で、世田谷のオルタナティブスクール「HILLOCK初等部」スクールディレクターの蓑手章吾さんが言うように「自由進度学習も一斉授業もどちらも大事。どちらかではなく、試行錯誤していくもの」という柔軟な感覚で、現場にこうしたマインドを持った実践が広がることを期待したい。
(2145円 学陽書房)
(浅田 和伸・長崎県立大学学長)

