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ほんものの学びに夢中になる 関わりあい高めあう授業づくり

15面記事

書評

ローレン・ポロソフ 著 山元 隆春・竜田 徹・吉田 新一郎 訳
人生の意味と活力を原点に

 「ほんものの学び」は「自分の経験、アイデンティティー、歴史、そして考えを共有することを意味」し、また、「ほんものの学びに夢中になる」とは「結果がどうなるかわからないなかで新しいことに挑戦すること」だという。教師には「どのように夢中になるのか、そして夢中になることにどんな価値があるのかを生徒が理解できる授業を組み立てること」ができ、その「教え方の設計」を解説したのが本書である。
 3部構成として「学習内容に夢中になる」ための学習材や問い掛け文などを示し、「自分たちの課題に夢中になる」ためのポジティブな課題の設計の仕方、自立性を引き出す活動プロセスの作り方などを語り、「一緒に夢中になる」ための他の生徒らと敬意を持った話し合いの在り方、協働して取り組むための手順などを、全10章で具体的に提案した。
 「主体的で対話的な深い学び」と通ずる面もあるが、「ほんものの学びに夢中になる」ことによって「教科の学びが生徒の人生における意味、活力、そしてコミュニティーの原点となる」という捉えは、直接的に高い学力や思考力を求めることとは異なるように思える。
 教師の問いに独特の着想で答えたときに否定された著者自身のエピソードなどもちりばめつつ語られる「ほんものの学びに夢中になる」意味と意義は理解しやすく、工夫されたさまざまな手法の提示に、うなずく読者も多いのではないだろうか。
(3080円 北大路書房)
(矢)

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