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ミネルヴァ・サイエンスライブラリー5 理科の先生のメガネ かけてみると世界が変わる

12面記事

書評

矢野 充博 著
「気付く力」の重要性強調

 著者は現役の中学校理科の教師。自然の事物や現象を「理科のメガネ」を通して見ると、不思議さに気付くようになり、人生を豊かに過ごすことができるようになると、いろいろなエピソードや実際の授業を紹介しながら中高生にも分かるように説明する。
 理科学習の大切な要素の「気付く」「観る」「考える」「試行する」「表現する」を、各章できちんと定義をした上で深掘りしていく。最も大事なのは「気付く力」だと強調する。同じモノを見ていても何もキャッチできない人もいる。比較したり視点を変えたりすると、自然現象の仕組みや巧妙さが分かってくる。だから気付く力を高めれば見える世界が変わってきて楽しくなる。
 観察や実験などの事例は読み手も授業に参加している気分にさせられる。最近はICTを使って人間の目には見えない分子や宇宙、気象現象などを再現し体感することも可能となっており、気圧配置の立体表現やAR恐竜の復元など興味深い。
 このような理科学習で科学的に探究する楽しさを経験できる生徒をうらやましく思う。例えば、学年全員で一冊のデジタル図鑑を作り上げる授業。生徒たちの満足げな表情が目に浮かぶようだ。
 教師を目指す学生には「教材研究」の章で、ワクワクする授業づくりを学んでほしい。また、理科に苦手意識を持っている人も、見慣れている事象を科学の目で見つめ直すきっかけとなるのではないだろうか。
(2200円 ミネルヴァ書房)
(正)

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