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令和4年 臨時国会質疑から【第4回】

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行財政

 今月閉会した臨時国会では、予算案・法案審議の他にどのような質疑があったか。衆議院文部科学委員会、参議院文教科学委員会などでは、まだ、あまり明らかになっていない政府の考え方などが見えてくる。10月27日の参議院文教科学委員会では、統一教会問題に関連し、課題を抱えた宗教団体の信者を親に持つ子どもを救うに当たって、学校の役割をただす質問があった。参考人の弁護士は、学校現場で、この問題への理解を深めておく必要があるなどと応じている。

学校が「救いの手」になれるのでは

堀場さち子議員(維新)  宗教二世の皆さんについて、阿部参考人にお尋ねさせていただきたいと思っております。
 私は、この宗教二世という言葉自体は、本当にちょっと誤解を招くんじゃないかなというふうに考えているところでございますので、今回、旧統一教会であったり、今表に出てきている様々な課題を抱えている、虐待を受けている、それは精神的、身体的にもそうですけれども、経済的にも様々な形で虐待を受けている子供たちという形での使い方として宗教二世という言葉を使わせていただきたいと思います。
 なぜならば、例えば、うちの父親は非常に墓参りが好きでしたので、しょっちゅうお墓の掃除をしてまいりました。そういうところから、私自身も子供を連れてお墓参りに行くのはよくあることです。こういった環境や経験を通して自然に信仰が生まれるということは本当に多々あることで、世界中で行われていることだと思います。日曜日には必ず礼拝に行く、そういった宗教もあるでしょうし、時間になったら祈りをささげる宗教もあります。様々な宗教がある中で、私たちは何を問題視するべきかというと、やはり、客観的に虐待だと認識できるものに対してどのように対応するかということだと思っています。
 阿部参考人にお尋ねいたします。
 今問題となっている宗教二世の皆さんが、学校で様々なことに気づくことができると思われますか。例えば、自分は、今まで育ってきた環境が実はちょっとほかと違うんじゃないかなというようなきっかけに、学校でなると思われますか。それは、今受けているものがなかなか言いづらいとか、支援要求ができるかできないかということもあるんですけれども、私は、救いの手が一番最初に、手を握ることができるのは学校じゃないかなというふうに思っておりますので、宗教二世の皆さんの苦しかったことを気づいてあげられる環境の一つは学校だと私は思っています。
 この気づきについて、もし何か教えていただけることがあればお願いしたいんですが、ちょっと質問が抽象的ですか。

現場でカルト問題の理解を

阿部克臣参考人(全国霊感商法対策弁護士連絡会・弁護士)  おっしゃるとおり、学校で初めて気づくというケースが非常に多いと思います。やはり、宗教二世という言葉を使わせていただきますけれども、典型的には、御家庭で両親が熱心な信者である、家庭内ではその宗教の話ばかりである、幼い頃からその教団の絵本とかそういうものを読まされて、テレビは見てはいけないとか、保育園は行かせてもらえないとか、そういう子供たちにとっては学校が初めて社会に触れる場面である、そういう方が非常に多いと思います。
 そういう方が、学校で、自分の家がどこかほかとは違う、そういう特異性に気づくことができるかというのは、その学校で行われている教育とかにもよると思いますので、それはどの段階で気づくかというのはあると思います。なので、ちょっと一概には言えませんけれども、気づかない場合もあると思うんですね。気づかないでいじめを受けたり、そういうケースもあると思います。なので、やはり大事なのが、周りの大人が気づいてあげるということが大事だと思います。
 学校現場での、先ほど対策が必要だということを申し上げましたけれども、対策というのは、例えば、通達とか、人的に拡充したり、予算をつけたり、そういうことだけではなくて、やはり学校現場の方が宗教問題、カルト問題をまず理解していただくということが大事だと思うんですね。
 今まで国としては宗教二世の問題に取り組んでこなかったわけです。なので、それをいきなり取り組んでくださいというふうに言われても、そのスキルも経験もないわけですから、なので、学校関係者の方ですとか、あとは児童相談所の方ですとか、あとは医療関係者とか、そういう、子供の、二世問題の被害に気づき得る立場にある方については、宗教、カルト問題の特色というものを理解していただきたいというふうに思っておりまして、その方法としましては、例えば、今までこの二世問題に取り組んできた、例えば牧師の方とかカウンセラーの方とか、あるいは弁護士でもいいですけれども、そういう専門家の研修を受けるとか、あとは被害者の話を聞くとか、そういう対策も一方で必要かなというふうに考えております。
 あと、先ほど宗教二世という用語の点についておっしゃいましたけれども、なかなか言葉の使い方として難しいところがございます。元々、カルト二世ということで言葉としては使われているところもあったんですけれども、ただ、その言葉自体がやはりその二世の方、三世の方を傷つける言葉だとは思うんですね。なので、宗教二世という言葉を今は使われているというふうになっておりますけれども、なかなか言葉の使い方も難しいところがあると思います。

専門弁護士を学校に

堀場議員 私自身は、御提案といたしましては、全国霊感商法対策弁護士連合会の皆様に是非スクールローヤーになっていただきたいと思っております。というのは、スクールローヤーというのは、基本的には保護者と直接対峙するわけではなくて、学校の先生たちの相談を受けるところだと認識しているんですけれども、信者である保護者の方と直接対峙をする、対峙というか、子供が虐待に遭っていることが分かったときに、直接やり取りをするのは学校の現場の教員であったり、養護の先生であったり、これは本当にハードルが高いと思います。
 前回の質疑でも、通知を出しただけで学校がパニックですよと私は言いました。なぜならば、やったことがないからなんです。研修を受けることも重要ですけれども、やはり多忙な先生たちにとって、すぐに気軽に相談できるスクールローヤーを配置を増やしてほしいというのはこの前の国会のときにやらせていただいていたんですけれども、スクールローヤーの方々がそういったすごくプロフェッショナルな、相談できる方であるならば、私たちは、学校の現場に一つ大きな安心を与えることができるのではないかなというふうに思っておりますので、是非検討していただきたいなと思っています。

令和4年 臨時国会質疑から