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夏休みの作文教室の取り組みを通して

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 十数年前に、夏休みの宿題に頭を抱えている親子の役に立ちたいと作文教室を始めた。夏休みの作文の宿題とは、読書感想文や明るい家庭作りの作文などである。それだけでなく、作文の苦手な子どもが書くことが好きになるようにと願い、始めた。(北川久美子・岡山県立和気閑谷高校非常勤講師)

 これまでの取り組みは次の通りである。

 第1に、型(フォーマット)ができるまで。
 何を書くか決まっても、どう書いてよいかわからない子どもに、アドバイスだけではうまくいかず、どうしても書けない子どもには口述筆記させていた。この状況を打開するために、型の必要性を痛感するようになった。

 第2に、型(フォーマット)ができてから。
 型を提示すると、皆書けるので、1日目に全員下書きを完成させることができた。
 「型」の例を挙げてみる。

<私が一番印象に残った場面は( )である。なぜなら、( )だと思うからである。>

 「型」の効用としてはまず、書けなかった子どもも書けるようになることが挙げられる。また、型があっても、なかなか書けない子どもがいるが、それがどの子か分かる。書けない子どもには個々に支援が必要である。

 今年の作文教室では、岡山県の文化連盟から派遣され、岡山私立平島小学校で読書感想文の書き方を指導した。しかし、1学年(1クラス)40人を45分で、下書きを書かせるためには、工夫が必要だった。そこで、家に帰っても下書きが書けるように、ワークシートを用意した。さらに、ワークシートに沿って書けるように、下書き用の原稿用紙1~4を作成した。また、児童には、必ず本を読んでくることを指導しておいた。
 授業の1日目に下書きが完成するために、45分間の中で、感動した箇所を中心に書かせ、自宅でも書ける内容は自宅で書かせた。次時までに下書きを完成させるように指示した。2日目は、下書きを元に推敲を通して型を外す授業をした。つまり、推敲を繰り返して、自分の作文にしていった。
 平島小学校以外でも作文に関する講座を持った。全ての講座で、平島小でのワークシートと下書き用の原稿用紙を使った。中でも新見市立野馳小学校では、ワークシートと下書き用原稿用紙を予め送付していたため、事前にワークシートに取り組んでいた。その中で、野馳小独自に、200字原稿用紙にあらすじをまとめさせてくれていたのは、大変効果的であった。

 今年の夏休みの作文教室では、2時間の講座を31講座行い、小中学生の参加人数は、延べ600人だった。我ながら人数の多さに驚いたが、600人の指導が効果的にできたのも、型を提示できたからだ。そして、31講座いずれも、1日目で下書きができ、2日目に推敲、清書ができた。その結果、作文が好きになった子どもが増えたようである。
 作文が好きになる要件を考えてみたい。第1に、最後まで書けたという達成感をもたせることである。第2に、その都度褒めることである。第3に、集中した結果、時間の経過が早いという実感をもたせることである。
 今年の作文教室ではどこの教室もこの3要件を充たしていた。その意味でも大きな成果が上がったといえる。
(きたがわ・くみこ 岡山県内で中学校教諭として国語を中心に指導。退職後、山陽女子中学校・高等学校非常勤講師、岡山県立和気閑谷高校非常勤講師(現職)などを歴任。小学生向けの作文教室としての経験が長い。著書に「北川先生の作文教室」=武蔵野書院など)

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