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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第55回】

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今だから出来るシリーズ(1)

 「今だから出来ること」がある。それは教師自身が苦手にしている。「論議」である。それも「クリティカル・シンキング」を徹底してやってはどうだろうかと提案したい。公務員は全体の奉仕者として受け止める資質が求められる。その為か、批判的思考がタブーとされてしまう傾向が強い。よって玉虫色かイエスマンしか昇格しない実態がある。

 勢いがよく見込みがあると思っても、役を与えるとみるみる小さくなって他の同じレベルになり、ガッカリするし、さらにひどくなる者も少なくない。その意味では、「批判に弱く」「批判を避ける」のは、そうした学びや訓練をして来なかったからとも言える。

 腫れ物に触るような育成や研修では、本質が見えてこない。「今すべきことは、これと、これと」と学生に指示をした。すると、「説教はやめて下さい。もうあなたにはついては行けません」と、メールが届いた。想定はしていた。残念だが仕方がない。来るもの拒まず、去るもの追わずがまたまた実感できた。

 さあ、今こそクリティカル・シンキングの鍛練をするチャンスである。私が中傷や非難にあまり動じないのは、初任の頃に同僚や先輩に取り囲まれて朝方まで議論した経験があるからである。当然未熟でもあり、経験もないが、「ならぬものは、ならぬ」という信念は、曲げなかった。
 感情的になるときや孤立するときもあるが、それは教師となる原点を失わなければ、嵐はやがて過ぎ去る。旧知の友はよく「嵐に向かっていったよね」と、笑いながら指摘する。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」