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大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」【第86回】

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教職は「ブラック」か

 風評に洗脳されて教職を「ブラック」と思い込んでいる学生は、ことのほか多い。それはメディアの怖さであり手法である。

 これを真っ向から否定する人も少ない為に、益々ブラックとされてしまっている。これが企業なら損益に影響が出るだろうから放置は出来ない。しかし、教員は、何だかんだと言われても、他の職よりはましと思っているのではないか。
 だからといって、「ホワイトですよ」とも言い難い。

 はっきりしているのは、離職率である。一般企業の3年後の離職率が3割を越えるのに、教員の離職率は0に近い。学校の先生が3割も辞めたら大ニュースになるだろうし、そんな学校は聞いたことがない。
 本当にブラックならば、自分の子どもを教師にするだろうか。そして、そのブラックな環境で仕事をしている教師を放置したら、日本の子ども達は大荒れになり、いじめもやりたい放題になっているのではないのか。

 また、採用試験に合格せずとも講師として雇用されると、月に手取り23万円、家賃補助、交通費が支給されて、その経験が正規採用されたら経験として丸々加算されて給与も増えるのである。さらに、ブラック風評で志願者の減少により講師の確保が必死な教委は少なくないのである。

 私の講義を聴いたら、その真実が分かるはずである。私は、校長の時、年休をほぼ全て消化し、定時退勤に心掛けた。勿論、職員へも支援した。
 どうしても出張先から帰って来る職員がいたが、年度末二人が結婚の報告にきた。楽しい職場では何故か同僚等の結婚は多く出費がかさむ。これを何故かメディアはブラックと決めつけている。

 敢えてブラックとするならば、校長の経営力が不足しているからである。私は新任校長の育成講座を通算6年担当し、約2500人のリーダーの育成支援してきたが、そのコツが益々県内各校で活かされているようだ。

 教職ほど、ドラマチックでロマンがあって、幸せに関われて、楽しく幸せな仕事はないと今日も私は思っている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

大久保俊輝の「休み中に考えたい学校問題」