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コロナ時代に考えたい学校問題【第66回】

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不遇へ出向く判断

 判断基準に何を置くかで、その後の展開は大きく変わってくる。当たり前の事なのだが、ここを押さえないと判断はぶれてしまう。特にリーダーは、判断に私利を挟むと人相が極めて醜くなる。
 冷遇や差別そして貧困の中から、悔しさや嫉妬を持ち、底辺から這い上がる事を美徳とする傾向がある。

 志により、あえて野に下る事を選んだ人もいる。その筆頭は釈迦であり、ガンジーではないだろうか。
 どちらも裕福な家庭に育ちながらも、人としての道を探り、不当な力に屈することなく生き抜いた最後の姿に私利はない。不遇から這い上がるか、不遇へ出向いて同苦するかは、どちらが困難であろうか。
 利他を叫びながら、並みの人より裕福な生活をしていながら、自分の蓄えを出さないのは美しくはない。すべてを放出して、また、ゼロから始めたらいい。やり方は分かっているのだから。
 現代の日本にあって、贅沢話をして、欲を見せ合う輩の何と貧相で偽善なことか。中流に居たい、なりたいのは、何のためか、とお訊きしたい。
 金も肩書きもあの世には持っていけない。金も肩書きも子孫のもめ事になりやすい。先日、数億円を子どもの為に使って欲しいと依頼された。あなたなら引き受けるか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題