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オンライン学習のための講習会 東京都教委が開催

9面記事

ICT教育特集

学校教育変革のスタートライン

 東京都教委はこのほど、すべての教員が「戸惑うことなく授業等の中にオンライン学習を取り入れることができるようになること」を目指して、『オンライン学習のための指導者講習会』を開催した。2週間計24回設定され、都内公立学校から各校1人以上が参加。会場での直接受講だけでなく、同じ内容の配信動画を視聴する受講形式も導入した。講習会では、

 (1) オンライン学習推進の背景
 (2) オンライン学習の実施に向けすべての教師が知っておかなければならない知識
 (3) オンライン学習を実施するためのツールの具体的な活用方法
 (4) 子どもたち1人1人パソコン端末が配置される環境における今後の教育

 ―について解説した。
 まず、GIGAスクール構想が大幅に前倒しになったこと、東京都も「東京スマートスクールプロジェクト」を進めていることを説明した上で、パソコン1人1台体制では、「子どもたちが端末を鉛筆やノートなどの文具と同じように日常的に使いこなすことができるよう、その活用を促していくことが教師の基本的な役割になる」と指摘。「これまでの教育実践とICTの最先端技術を活用した新しい教育実践を効果的に組み合わせることにより、学校教育を大きく変革させていくスタートラインに立っている」と訴えた。
 学習者用端末に関して、都立高校に関しては、学級タブレットやスマホ等の生徒が所有するICT機器を活用する「BYOD」を想定。今後、普通教室にWi―Fiが導入され、BYODネットワークが令和3年度には全校導入予定だという。その上で、「子どもたち1人1人がネットワークを通じていつでも学習支援クラウドにアクセスすることができ、教師や子どもたち同士が常につながっているという環境を最大限に生かすことが求められる」などとし、学習のあり方をアップデートすることを求めた。
 オンライン学習に関しては、方法別に5つに分類。

 1.「オンライン授業」=教師と子どもたちが同時に双方向でやり取りしながら授業やその他の活動を行うもの
 2.「オンライン個別指導型」=教師と子どもが一対一で同時に双方向のやり取りをしながら学習指導や個別面談などを行うもの
 3.「動画配信」=教師が事前に動画を撮影するなどして子どもたちに配信するもの
 4.「課題配信型」=教師が課題を作成するなどして子どもたちに配信するもの
 5.「外部サービス活用型」=民間事業者などが提供する教材をアクセス権を与えられた子どもたちが利用するもの

 ―とし、複数のツールを組み合わせることで効果的なオンライン学習が実現すると強調。学習支援クラウドや、ビデオ会議ツールや動画配信ツール、共同作業ツールなどの活用方法を事例をもとに解説した。
 また、臨時休校中に多くの学校で実践した動画配信による学習の成果と課題を踏まえ、学校で検討すべきことを挙げた。「日常的に指導を受けている教師が出演することで、子どもが学校での学びとの連続性を意識することができた」という報告や、「学習内容と音声のみで構成することで短い時間でコンパクトにまとめて編集することが可能となり子どもの集中力を持続させることができた」という声もあり、「発達段階や指導内容等に応じて動画の長さや教師の出演の有無等を工夫していくことが大切」とした。そのうえで動画づくりは、通常の授業と同程度の時間で準備・編集ができるようになることが取り組みの日常化につながるとした。著作物の使用は、教師が著作権法に基づくことが求められることを指摘した。

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