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コロナ時代に考えたい学校問題【第132回】

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安ければよいのか

 談合の必要性について会社経営者から話を聞いた。彼の主張は「必要」であった。美味しい仕事もあればひどい仕事もあるが、順番に回っていくから皆どの仕事も引き受けてやっていたという。その意味での必要なのである。
 しかし、入札になってやりたくない仕事は誰も手を挙げない為に、何度も入札を繰り返すようになり、どんどん工期が遅れてしまうことになる。また、図面や仕様書などを書ける役人は殆どいないため、業者が書いてサービスしているのが現実という。
 確かに情報関係の仕様書の作成を任されたときに、そのようにして頂いた事を思い出す。その上で別業者へ落とされる事もあり、割の合わない仕組みになっているのも確かである。

 以前、管理職として初めて校外学習のバスの入札を試みた。仕様書の文字表現も解釈の仕方では如何様にでもなってしまう。結果として、市議会議員が社長を務める格安バス会社に落札された。格安の理由は、自社のバスを3台安く購入してガイドも気のきかない者を充てるため、車内の満足度は低いものの、入札の仕様書にはそこまで細かく書けないと言われ、文句が言えないのである。
 安ければそれでよいと言うことはない。だからと言って仕様書を細かく書こうとすると指導が入り玉虫色になってしまう。
 こうした現実を児童も保護者もあまり知らない。
 校長の頃、体操服を販売する店の閉店が突然伝えられた。価格は少し高いが乾きやすく汚れも落ちやすい生地と現代的なデザインの業者へ依頼をかけた。すると、突然これまでも体操服を扱っていたという業者が現れた。結果として移行期間を設けた。
 利益が少ないため仕方なく保護者の経営するコンビニにスペースをとってもらい販売をお願いした。すると、その利益を校長とPTA会長が得ていると保護者から風評される事態になった。業務妨害と名誉毀損で内容証明を該当者に送ったところ、突然転勤する事になったと連絡が来て、話はそれで終わった。
 このシナリオには地域の顔役と行政、さらに校内の管理職とその意向を受けた保護者(元教員)が関わっていたと後日判明した。このように何の問題がなくとも故意にトラブルにされる事が多いのである。だからこそ避けるのではなく、正々堂々とより良き教育環境を整えるのが管理職の責務と私は信じて行動し今がある。
 但し、常識はずれの高級ブランドを制服として話題になった都内有名小学校の判断は、幼稚すぎて理解できない。こうした学校の歴代校長も他を見下す言動が多いことを私は以前から気になっている。いかなる立場になろうとも、何のためかの謙虚さを忘れてはならないのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題