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小学校がプログラミング授業公開 学び合いや指導の工夫随所に

2面記事

教科・指導

千葉・流山市

 企業・大学と連携して小・中学校のプログラミング学習を進めている千葉県流山市教委は15日、市立東小学校の授業を報道機関向けに公開した。5年生の算数では、児童がそれぞれタブレット型パソコンを使って正七角形を描くプログラムを組み、無線でつながった立方体型ロボットを走らせるなどした。
 授業は家庭科室で行った。一つのテーブルを数人の児童が囲み、互いに教え合っていた。教員が説明する際、児童は前を向くとともに、自分のパソコンの画面を教員側に向ける場面があった。児童の気が散らないようにし、教員が画面を確認するためだという。

 同市は昨年3月、東京理科大学と学校教育分野を含む包括連携協定を結んでいる。プログラミング学習に関する事業には内田洋行、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が協力。教材とカリキュラムの提供を受け、小中一貫型の授業実践を試みることとなった。
 15日の5年生の授業では、「正多角形と円」の単元(4時間構成)の4時間目を公開。正五角形と正六角形の描き方を確認した上で、正七角形の描き方を考えた。
 担任の鈴木昂平教諭は採用5年目。まずは、31人の児童を前に、プレゼンテーションソフトを使ってこれまでの授業で学んだことを問い掛け、児童が口々に答えていった。
 正三角形から正六角形までは、角の大きさを整数で出せたが、正七角形は計算させてみると小数点以下、数字は延々と続く。
 中には四捨五入して早々に答えを出した児童もいた。その答えを鈴木教諭が自分のパソコンに入力すると、正七角形らしきものはできたが、最後に線がつながらない。
 ここで鈴木教諭は、プログラミングソフトで分数を扱えることを紹介。7分の360を入力すると、児童は自分のパソコンの画面できれいな正七角形を描けた。立方体型ロボットも「ある距離を走る」「ある角度で曲がる」を繰り返して正七角形の形に走った。
 この事業は、SIEが開発した「toio」という教材を使い、内田洋行が学習カリキュラムなどを開発した。授業には東京理科大学の学生が立ち会い、不具合が出た児童に助言するなどしていた。
 事業を始めるに当たり、内田洋行の大久保昇社長は、「教育の転換期において、プログラミング教育でも新しいアプローチを図っていきたいと考えており、toioは教育に新しい可能性を拡げてくれるものと期待している」とのコメントを出している。

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