情報教育充実、中学技術分野の4領域で 中教審特別部会
NEWS 次期学習指導要領を議論している中央教育審議会の教育課程企画特別部会は12日、情報教育の充実について議論し、文科省が小中高を通じて教育内容を拡充させる方針を示した。小学校では総合的な学習の時間を中心に一定の時間を確保し、中学校の技術・家庭科の技術分野では扱いを広げる。具体的な学習内容などは秋以降に開く専門のワーキンググループで検討する。
現在、中学校では技術分野の4領域の一つの「情報の技術」に指導内容を定めている。ただ、文科省はこうした扱いが海外と比べて少なく、他の3領域との関連も図られていないなどと課題を指摘し、改善策を提案した。
具体的には木材加工で3Dプリンターを使ったり、作物栽培でデータを活用したりする他、「情報の技術」の領域では生成AIやプログラミングを扱う。実生活や社会の課題を探究的に解決する内容を4領域全体で充実させることとした。
技術・家庭科の教科構成にも触れ、別々の教員が指導していながら成績評価を一つに記載していることの課題を挙げた。
小中高を通じた情報教育の充実策では、小学校は教科等に明確な位置付けがないため、地域や学校間の差が大きいと指摘。総合的な学習の時間で探究的な学びとの連携を図る案を示した。高校は小・中学校での内容を踏まえて充実を検討する。
また同省は、学習指導要領改訂後の対応についての考えも提示した。情報技術の進展の速さを踏まえて、学習指導要領解説の一部改訂を迅速に行うことや、検定教科書では対応しきれない変化について国がデジタル教材を提供することを検討課題として示した。
技術・家庭科の学習内容は、探究学習の改善策を検討する22日の特別部会でも引き続き議論する。