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教師の仕事術 圧倒的な成果と精神的なゆとり

18面記事

書評

渡辺 道治 著
超多忙な生活が生んだ方法論

 18年間の教職生活を送った後に、一般社団法人「教え方の学校」代表理事などで活動する著者。教員時代に小学6年を受け持ちつつ、研究主任や初任者指導担当、年間約千枚に及ぶ学級通信に、年間3冊の書籍刊行、地元紙の連載執筆をこなすなど、超多忙な中で培った経験に基づく仕事術である。
 「どうせやるならば、多くの人の笑顔や喜びにつながるように取り組みたいという『熱』こそが、私のすべての仕事の原動力」とする著者は、本書を「熱の使い方の手引書」と評する。
 仕事の根幹にある「仕事観を磨く」(第1章)ことから説き起こし、「『圧倒的な成果』と『精神的なゆとり』」(第2章)を得るための仕事の進め方や、「知や技を磨く(地力を高める習慣をつくる)」「事実をつくる(相手の期待を超える)」「関係をつくる(利他を積み重ねる)」などを六つのポイントとして示す。そして、終章では、「目標達成の秘訣」(第3章)を具体的に述べた。
 小学生に「人生は、『人喜ばせ合戦』」と語り、「喜びは一定量を超えると、『驚き』に変わり、『驚き』は一定量を超えると、『感動』に変わる」と「喜びの進化形態」を話すなど、著者の仕事観、生き方が反映する指導やエピソードが随所に盛り込まれている。
 読者自身の「仕事の原動力」は何かを問い直す際のヒントにあふれている。
(2200円 東洋館出版社)
(矢)

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