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障害ある高校生対象に特例校制度創設 文科省

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文部科学省

 文科省は、障害の程度が重い生徒を受け入れている高校を対象とした特例校制度を創設する方針を示した。教科内容の一部を取り扱わないことや、障害による困難の改善・克服を目指す「自立活動」を卒業単位に含めることを認める。全日制、定時制を問わず、中学時代に特別支援学級に在籍していた生徒が高校現場に増えている現状に対応する。
 23日に開いた中央教育審議会の特別支援教育ワーキンググループで提案した。
 高校では平成30年度から通級指導を実施できるようになった。一方で、教科の学習が遅れることへの不安などから、通級指導の利用を希望しない生徒がいるという。
 特例校制度では「自立活動」を卒業単位に含めるようにする他、障害の状態などを踏まえて学校が設ける「学校設定教科・科目」について、修得単位数の上限に例外を設ける。合わせて、各教科等の目標や内容の一部を障害の実態に応じたものに替えたりすることを可能にするなど教育課程の大幅な柔軟化を認める。
 学校教育法の上では、高校にも特別支援学級を置けるが、学級編制基準や学習指導要領での関連規定が未整備。文科省特別支援教育課によると、高校での特別支援学級の設置事例はないという。
 ただ、一部には、知的障害の生徒の受け入れを前提としたコースを設けている自治体もある。同課では、高校での特別支援学級設置が目的ではないとしつつ、特例校制度によってさまざまな研究開発的な知見を集めたい考えだ。
 特例校制度の創設に向けて改訂のタイミングで関連規定を総則に盛り込む予定だ。

文部科学省

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