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裁量時間の使途を整理 「学習枠」「研修枠」設定 中教審

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 文科省は19日、教育課程部会の総則・評価特別部会を開き、次期学習指導要領で導入する小・中学校の教育課程を柔軟に編成できる「調整授業時数制度」の具体案を示した。各教科の標準授業時数について、学校全体で調整できる上限幅や対象範囲を明示し、削減した時数を「裁量的な時間」として再配分する制度設計を打ち出した。
 学校ごとの判断で学習内容や指導体制を組み立てやすくすることで、児童・生徒の実態に応じた教育課程の実現を制度的に後押しする。
 教科ごとに定められた標準授業時数を一定の範囲で下回ることを認め、その分の時数を別の教科への上乗せや、学校独自の教育活動に充てることができるようにする。
 現行の特例制度では削減幅は原則1割までで、小学校6年で最大85コマ、中学校3年で76コマが上限となっていたが、文科省はこれを上回る調整幅を認める方向で検討している。ただ、週1コマ(年間35コマ)相当の授業時数は必ず確保し、極端な削減は認めない方針だ。また、これまでは対象外だった総合的な学習の時間も新たに調整対象に含める。
 あわせて、調整によって生み出した時数の使途として「裁量的な時間」を位置付け、内訳を「学習枠」と「研究・研修等枠」に整理した。
 学習枠は、個別の学び直しや探究的な学習の充実などを想定し、教科の学習内容を代替する目的では認めない。研究・研修等枠は、授業改善につながる校内研修や教材研究などを対象とし、教員の負担軽減を目的とした業務時間の確保に充てることは想定しないとした。
 裁量的な時間について文科省は、教育課程としての質を確保するため、学校全体として配分できる時数の上限を設定する。具体的な上限は今後検討するとしつつ、過度な配分によって教科の学習内容が損なわれないよう留意点を明記する。
 教育委員会が計画段階から関与し、実施状況を把握することで、制度の形骸化や不適切な運用を防ぐことを想定している。
 文科省は、現行の教育課程特例校制度や授業時数特例制度を、新たな調整授業時数制度に統合する考えも示した。国や教育委員会が運用状況を把握し、不適切な事例には是正を行う仕組みを整えるとしている。

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