教師のための「同僚性」の育み方 ウェルビーイングな教育現場にするチームビルディング
12面記事
德留 宏紀 著
鍵は「人を大切にする組織」
10年ぶりに学校現場に戻り、「教員志望者の激減」「離職(退職)・休職の増加」「職場のキャリアバランスの不均衡化」等を強く感じていた。その原因を自分なりに模索している中で、本書と出合い、目からうろこが落ちた。
「ブラック」とやゆされ、ただでさえ人が集まりにくい教育現場。だからこそ、今そこに居てくれる一人一人を大切にする必要がある。これからの教育界の明るい未来をつくる鍵は、「人を大切にする組織」かどうかであり、そのためのキーワードである「同僚性」が今こそ必要とされていると、著者は言い切っている。その「同僚性」を著者は「互いに支え合い、学び合い、高め合っていく関係性」と定義している。また、それに関連して、昨今教育界でよく耳にする「ウェルビーイング」「心理的安全性」「チームビルディング」の重要性を現場に即し明快な解説を加えている。
本書は八つの章で構成され、1・2章で「同僚性」およびそれを育む「チームビルディングサイクル」について触れ、3章以降は「同僚性」を育むための考え方や方策を具体的に分かりやすく述べている。見開き2ページの冒頭にキーワードを掲げ、実体験を基にした平易で納得感を得られる内容となっている。読みながら、すぐにでも実践してみようという内的動機付けの高まる価値ある実践書である。
(1980円 明治図書出版)
(中川 修一・前東京都板橋区教育委員会教育長)
