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児童・生徒が主体的に学ぶ英語教育を目指して

18面記事

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昨年の様子

全英連滋賀大会の見どころ

 全国英語教育研究団体連合会は11月16・17日の2日間、滋賀県大津市で「第68回全国英語教育研究大会(全英連滋賀大会)」を開催する。「Be Active!~児童・生徒が主体的に学ぶ英語教育~」を大会コンセプトに実践研究発表や意見交換を行う。実行委員長の尾中圭・滋賀県立安曇川高校校長に2日間の見どころを聞いた。

尾中実行委員長
尾中実行委員長

 新学習指導要領では2020年から小学校英語が教科化され、本年度から先行実施されている。また、大学入試では民間の資格・検定試験が検討されるなど、新しい時代の流れの中、「国や地域を超えた人と人との交わりが身近になっている昨今、英語教育が果たす役割は大変大きなものがある」と尾中実行委員長。今回の全英連全国大会のコンセプト『Be Active!~児童・生徒が主体的に学ぶ英語教育~』には、「小中高の英語教育にかかわる教員が連携して、児童・生徒が自ら発信し、生涯にわたって学び続ける姿勢を育成する英語教育を目指そうという思いが込められている」という。
 また、今回の滋賀大会では大会スローガンである“Think!Dare!Share!”も作成した。主体的にいろんな立場から考えようという“Think!”、勇気を出して自分の意見を言おうという“Dare!”、お互いを認め合い、支え合い、共感する心を持って、対話を通じて、相手の意見を聞こうという意味である“Share!”。このスローガンの下、滋賀県内の小中高の英語教員が一体となって、全国大会開催に向けて取り組んできた。
 「児童・生徒が主体的に、アクティブに、実践的な英語を楽しく学ぶ英語教育を模索すべく、滋賀の小中高の英語教員が、連携して取り組んでいる」(尾中実行委員長)。
 滋賀県は昔から「近江の国」と呼ばれるように、日本最大の湖である琵琶湖を真ん中に、多くの伝統文化や歴史的に有名な名所・史跡を有している。
琵琶湖を一望できる大会会場のびわ湖ホールで、初日に予定されている記念講演は、日本の英語教育の第一人者である立教大学の松本茂教授が登壇。「アクティブ・ラーナーを育てる英語教育」と題し、高校卒業段階までに身につけるべき英語のコミュニケーション能力とはどんなことか、その能力を身につけるために小学校や中学校ではどのような授業をすべきか、という視点で小中高の流れを一本のベクトルでとらえて、これからの英語教育のあり方について講演する。これから英語教育に携わる小学校の教員にもわかりやすく実践的な内容を予定しているという。

授業実演は小中高それぞれの課題に対応

 記念講演後の授業実演は小・中・高の3つの授業を予定している。小学校は、大津市立晴嵐小学校の平山美穂教諭が実演。平山教諭は体験しながら外国語の音声や基本的な表現についての気づきを大切にする授業を実践している。今回は「コミュニケーションの楽しさを味わい、自ら求めて学ぶ児童の育成」をテーマに、児童が「聞きたい」「伝えたい」という気持ちが必然的に生じる活動を設定し、コミュニケーションの楽しさを味わう授業づくりを実演する。
 中学校は竜王町立竜王中学校の関口真教諭が、「即興的な対話力と発信力の育成~言語活動の指導と評価~」を研究テーマに授業を行う。関口教諭はさまざまな言語活動を段階的に取り入れ、教材を工夫したり、ICTの活用、さらにテンポをよくしたりすることで「生徒が前向きに英語と向き合い、生徒が英語を使う時間を確保できる授業づくり」と4技能をバランス良く育成する授業を目指している。
 高校は滋賀県立虎姫高校の川瀬千津教諭が実演。同校は平成24年にSSHの指定を受け、探究的・発展的な授業や大学等との連携事業を展開しており、現在、国際バカロレアを目指して研究している。川瀬教諭は発話しやすい雰囲気を作り、伝える意欲を高める活動を工夫して、生徒がアウトプットを楽しみ、達成感を得られる授業づくりを目指しており、今回は「虎姫高校で育てたい学習者像を目指した英語指導のあり方」をテーマに授業を実演する。

今大会をさまざまな議論の出発点に

 大会2日目は会場をピアザ淡海(滋賀県立県民交流センター)とコラボしが21に移しての分科会。小学校が6、中学校が9、高校が13、さらに小中連携と中高連携の発表計4つを合わせて32分科会を開催する。また、全英連の全国大会で初めて、中学校の分科会で、支援や配慮を必要とする生徒への学習指導や外国人生徒のための授業づくりに関する研究発表を行う。
 滋賀県の取り組みとしては、中学校教育研究会英語部会(中英研)と高等学校英語教育研究会(高英研)からの発表を予定。同時に、滋賀県が開催県だが今回はできる限り近畿地区の大会となるよう参加を呼びかけ、近畿の他府県からも高校の6つの研究が発表される予定だ。
 「発表者の先生方には発表内容を全国からの参加者のみなさんと共有していただき、参加者のみなさんも、いろんなご意見や日頃の実践・研究事例を出していただき、英語教育についての議論を深めていただければ」と尾中実行委員長。さまざまな意見や議論の出発点として滋賀大会を活用して欲しいと話している。

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