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働く人の姿を肌で感じ、主体的に関わる姿勢を育む

7面記事

企画特集

西田香校長(右)と田中美奈子教諭

東京都世田谷区立桜小学校

 近い将来には今ある仕事の多くが機械にとって代わられるという研究もあるなかで、どんな時代になろうとも「人が一生懸命働く姿は美しい」―。そんな思いを込めて大人の働く姿を切り取るアイデム写真コンテスト『はたらくすがた』(主催=株式会社アイデム)が今年も募集を開始した。キャリア教育の一環として毎年参加を呼び掛けている。昨年度、団体奨励賞を受賞した世田谷区立桜小学校にコンテストの魅力を聞いた。

世代を超えて続く地域の力
 東京・世田谷区立桜小学校(西田香校長)は創立141周年を迎える歴史ある学校で、400年の伝統を誇る「世田谷ボロ市」へ毎年出店をするなど地域の伝統を大切にする学校だ。目指す児童像は『自分で考え、自分で決める』。平成22年度から地域運営学校となり、学校・保護者・地域が連携して教育活動を展開している。
 キャリア教育への取り組みとして、6年生の3学期に「リアルお仕事調べ」と題し、10人前後の職業人を学校に招き、子どもたちが話を聞く機会を設けている。学校支援コーディネーターが人材を探すところから当日のコーディネートまで引き受け、児童はどの職業の方の話を聞きたいか自分で選択する。
 そのほか「おやじの会」や学校支援ボランティア団体である「桜小応援団」、各町会との連携も深く、毎年1月の餅つき大会では体育館に地域住民や保護者が集うなど、子どもたちが「大人の働く姿」に触れる機会も多い。「家族3世代、4世代が卒業生という方もいて、地域の熱いバックアップがあるのは本校のキャリア教育にとって大きな財産です」と同校の西田校長は話す。

夏休みの自由課題でコンテストを活用
 同コンテストへの取り組み方は、夏休みの自由課題の一つとして各学年の担任が子どもたちに提示。今はデジタルカメラやスマートフォンなどで手軽に写真撮影ができるため取り組む児童は多い。夏休み明けにプリントした写真を担任が集め応募する。
 集まった写真を整理していると、コンテスト参加にあたり被写体への配慮をしたり、家庭で親子の会話が生まれたりしている様子が窺えるという。「どのような目的で、何を撮りたいのかが明確な作品が多い」と4年生担任の田中美奈子教諭は話す。作品としての完成度の高さを追求するだけでなく、撮影を通して被写体となる相手に撮影と応募の許可をもらうなどルールを守る態度や、撮影場所、時間など相手に配慮するマナーも身に付くところも大きな魅力のようだ。
 昨年、佳作を受賞した同校の永田悠さん(受賞当時3年生)は家族で尾瀬へ旅行に行った際、山小屋に食料品を運ぶ「歩荷(ぼっか)さん」の姿を撮影して応募した。もくもくと重さ100キロもの荷物を運ぶ姿に感動し、その場で撮影交渉をしたという。初対面にも関わらず撮影の許可を得られたのは、コンテストの趣旨や応募要項にある注意事項を理解していたからだ。
 「学校では職業調べや講話などでさまざまな職業を知ることができる。その知識を活かして学校の外で働く人の姿を自分の目で発見し、主体的に関わる機会が生まれるのがこのコンテストの良さでは」(田中教諭)。

発信力・表現力の向上も期待
 西田校長は「このような経験を重ねると仕事そのものにも興味が出てきます。一生懸命働く人の姿が美しいということを子どもたちも感じることができるのではないでしょうか。それを親子で共有できるのがコンテスト参加の意義にもつながります」と語る。
 今後は、夏休み明けの作品紹介で写真を見せ合い、子ども自身が解説をするなど発信力、表現力の向上にもつなげていきたい考えだ。
 なお、今年度のアイデム写真コンテスト『はたらくすがた』の応募は9月12日(木)まで。応募方法や昨年度の入賞作品はホームページで確認できる。
 ホームページ=https://www.aidem.co.jp/csr/photocontest/

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