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あそびの中の学びが未来を開く 幼児教育から小学校教育への接続

13面記事

書評

田澤 里喜・吉永 安里 編著
実践例踏まえ これからの教育を展望

 本年度から全面実施された、新しい小学校学習指導要領。改訂のポイントの一つに、幼児教育・保育と小学校教育の円滑な接続がある。小学校では、幼児教育・保育の「子どもたちの自発的な遊びを通した総合的な指導」で育まれた資質・能力を踏まえて、子どもたちが主体的に自己発揮できるような環境を整えていくことが求められる。
 本書では「こうすれば幼児教育・保育から小学校教育への接続がスムーズになる」というテーマの下、より良い保育や授業の在り方を、実践事例を基に解説。幼稚園・保育所・認定こども園で遊びを通して主体的・対話的に学んでいく子どもたちの姿を紹介する「保育の実践例」、子どもの資質・能力を伸ばすために合科的・関連的な指導や弾力的な時間割を取り入れた授業の様子を紹介する「授業の実践例」を掲載している。同時に「これからの幼児教育、これからの小学校教育」をテーマとした、座談会も収録している。
 内容を通して強調しているのは「幼児期には、子どもたち一人一人の大好きな、夢中になれる遊びを保障することが何よりも大切なこと」「小学校では『主体的・対話的で深い学び』を実現し、その中で子どもたちが安心してのびのび、楽しく生き生きと、着実に到達目標に向かって学ぶことの大切さ」。より良い保育や授業、保幼小接続を知るとともに、時代が求める教育の在り方を学ぶことができる一冊だ。
(3080円 発行・世界文化ワンダークリエイト、発売・世界文化社)
(秀)

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