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小中社会科の授業づくり 社会科教師はどう学ぶか

14面記事

書評

澤井 陽介・唐木 清志 編著
義務教育を通じた系統的学びへ

 新学習指導要領で小学校の社会科と中学校の社会科の目標が整理され、育成を目指す資質・能力はつながったが、教師が系統的に学んで教えてはいないのが現状ではないだろうか。本書のタイトルには「小中社会科」とある。
 注目したいのは最終章で「問題(課題)解決的な学習を推進する『問いの構造化』という考え方の大切さ」を指摘している点である。社会的事象、そして、そこから発生する社会的課題に「問い」を持つ、身近な出来事に気付いていない児童・生徒たちに、それを自分ごとと捉えさせるための問いの重要性を取り上げている。
 また、学習が想定から大きく外れてうまくいかないときがよくある。その要因を指導者のテクニック依存にあると指摘し、「児童に学習させる」展開にするのではなく、児童の活動や探究に多くの時間を設けて「児童が自ら学習する」展開にする必要があるとしている。
 こうした教師の意識改革が図れる場は授業研究における協議会である。その進め方が形式的になっている協議会には学びは生まれない。その手法として経験年数別のグループでの協議の有効性なども紹介されている。全編を通して、社会科に限らず、これまで曖昧にしてきた小中のつながりを意識した授業への見直しができる実践書として推薦したい。
(2420円 東洋館出版社)
(大久保 俊輝・亜細亜大学特任教授)

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