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第30回上廣道徳教育賞受賞者が決定

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主催 公益財団法人上廣倫理財団

 第30回上廣道徳教育賞(主催・公益財団法人上廣倫理財団、後援・文部科学省他)の受賞者が決定し、全国から寄せられた論文のなかから審査を経て21編が入賞した。

 公益財団法人上廣倫理財団は、次代を担う子どもたちの健やかな成長を応援するため、教育の現場で意欲的に道徳教育研究や実践に取り組む学校や教師を顕彰することを目的に、上廣道徳教育賞を実施している。
 第30回となる今回は、全国の小・中・高等学校の教員、海外日本人学校等の個人もしくはグループから、多数の応募が寄せられた。2月7日に結果発表を行うとともに、表彰式を3月12日(土)にオンラインで実施した。表彰式は、受賞者及び審査委員が参加し、受賞の喜びや研究実践の様子などを交流する場となった。

 「小学校の部」で最優秀賞を受賞したのは、佐賀県みやき町立三根東小学校 中村美枝子校長。中村校長の研究実践は、「いのちの教育プロジェクト」(授業構想)と「いのちと向き合う体験活動」(全校集会)の相互関連を図りつつ、「いのちを考える日」の有効性を検討したものである。
 社会的な背景を起因として、いのちの教育を大テーマとし、学校全体で道徳科授業だけでなく、特別活動や総合的な学習の時間との関連を図りながら、取り組みの様子が具体的に述べられていたことが高く評価された。

 「中学校・高等学校の部」で最優秀賞を受賞したのは、高知県立山田特別支援学校 古味聡子教諭。古味教諭の論文は、学校全体で取り組まれたもので、特別支援学校で作成した道徳の『内容項目表』を活用した内容である。古味教諭は、基本行動に関するプロジェクトチームの中心として、「本校独自の道徳の内容項目表」を作成し、小学部から高等部まで段階的系統的な実践に取り組んだ。
 特に評価されたのは、特別支援学校用小・中・高等部と系統立てた道徳『内容項目表』である。特別支援独自の内容項目の調査、カリキュラム作成がよく現れ、指導も独自の工夫が見られた。

 オンラインで行われた表彰式において、審査委員長の永田繁雄氏は「この上廣道徳教育賞は、平成の最初から30年間、長く道徳教育の充実に力を果たして参りました。皆さんご存知のように、この教育賞に投稿される論文は、間口が広く、多くの実践家の工夫に満ちています。そしてチャレンジ性に満ちています。また多様な指導方法を柔軟に生み出す、そのエネルギーが溢れています」と30回を重ねた本教育賞についての感想を述べた。
 今回、「研究論文の部」では、受賞論文は該当なしとされた。全体での受賞者はその他、優秀賞11件、佳作8件が選ばれた。いずれも工夫された実践研究であり、こうした取り組みの広がりが期待される。

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