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一刀両断 実践者の視点から【第151回】

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論説・コラム

宗教の矛盾

 ローマ教皇は、ロシア正教のトップであるキリル総主教との会談を延期すると述べたという。報道によると、「ロシア正教会との関係は良好だが、この時期に会談するのは外交上、混乱をもたらす」とのことである。また、ロシア正教会は、キリスト教の3大教派の一つである東方正教会の最大勢力だという。
 この記事から、キリスト教を含めた宗教の矛盾に驚きを禁じ得ない。まともな宗教ならば、殺人や戦争を支持することはない。そしてそうした行為を身を挺して防ぐはずではないだろうか。
 それが出来ない現実に、宗教の存在も気休めにすぎないと嘲笑されても仕方がない。祈ることは祈るのだろうが、行動に現れていないからである。
 その二面性がまかり通るのだから、宗教の創始者は怒り、落胆をするのではないだろうか。道徳や倫理においても無力を示す事になるからである。
 唯一可能ならしめるのは教育にある。それも幼児期からの初等教育に、宗教や哲学を越える平和への確かな浸透力が期待できる。この時期の教育に、徹底した平和教育を位置付けるべきである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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