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一刀両断 実践者の視点から【第248回】

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「覚えていない」に切り込む

 《教員が強制わいせつ有罪、市教委が懲戒処分しないまま失職/相模原》(朝日新聞社)という見出しの記事がある。実態にあっていない法の不備を指摘したい。
 加害者が酔っていて覚えていないとなると被害者は居ても処分出来ないという事になる。被害者の受けたダメージは本来受けなくともよかったものであり、何の落ち度もないにも関わらず教委の詰めの甘さが際立っている。
 自白まではさせられない機能不全があり、そうした訓練を管理主事は受けていない。
 私はこうした案件で、被害者の供述を元にかなり切り込んできたので、警察が動くと同時に自白をさせて来た。それにより、家族は離散となり辛い現実を見て来たが悔いはない。
 免職になると履歴にその事が明記されるが、裁判での有罪は、次の転職に際してどこまで明らかにされるかは見えない。
 あの時、私が免職にした教員は、遠方で塾の講師をしていると耳にした。麻薬のような病気とも思える性癖なのだからとても治るようなものとは思えない。被害者の家族であったら納得出来ないだろう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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