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一刀両断 実践者の視点から【第494回】

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怒りへの対処を教えねば

 《「首元を刺した」コンビニで同僚を刺したか 殺人未遂で男(22)を現行犯逮捕 千葉・流山市で》(TBS NEWS DIG)という見出しの報道から教育と社会の課題が見えた気がした。
 首を刺すとなると殺害する意図が強くなければしないだろうし、包丁で行う行為はあまりに多い。手頃に手に入るし凶器としては扱いやすい。
 「気に入らない」とか「腹立たしい」という時にその怒りをどう処理するか。こうしたフラストレーションの処理をできずに傷害や殺人に至るのはどうすれば止められるのだろうか。
 喜怒哀楽は人の常であり逃れられない。ならばその対処やコントロールを私たちは子供達にどの時間でどのように教えているだろうか。
 こうした大切な事は教えていないのが今の教育課程ではないだろうか。
 道徳にも明確にこうした行為に至らないような教材や授業があるとは思えない。怒りをぶつけて変わらないのだから、その場から去る手もある。
 悔しくて懲らしめたいと恨んでも相手には伝わらないものである。
 その為に実力行使とする思考性は幼稚でもあるが負の連鎖となり人生を変えてしまう。
 その意味ではこうした事件を我が事として捉えて学ぶ事は負の連鎖を止める学びとなる。私はこうした学びを動徳と捉えて学生と論議して相互に学んでいる。
 この文章が公開されるころには、そうした授業を始めているはずである。参観希望の方はご連絡願いたい。
 tookub19@reitaku-u.ac.jp(@は半角)
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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