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一刀両断 実践者の視点から【第282回】

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論説・コラム

なくならぬ体罰

 教員による体罰に関する記事がまた出た。この教員の勤務先は、伝統を築いてきただけに残念でもあり、やはりかと思える。
 成果を上げるとついついいい気になって過信し慢心が宿るものである。ここに指導者である前に人間性が試される事になる。
 私が県の人事を担当していた時、年齢は40歳であったが管理職の選考を任されていた。先輩諸氏から指摘を受けていても、役に力があるのであって、自分に力があるわけではないと言い聞かせても、周りの対応が平身低頭になる為に誤解をする愚かさが巣喰ってしまう。
 今回のケースは非常に特異な空間の中で起きており、手段が目的化して成果を期待し残せねばという認識がほぼ全員の意識の中にあった事が指摘できる。この風土をどのように完全化させるかを私は見守りたい。表敬訪問した時に感じた違和感が蘇って来たからである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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