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一刀両断 実践者の視点から【第295回】

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「範」にならぬ附属小のいじめ対応

 茨城大教育学部附属小学校がいじめを理由に女子児童の不登校が続く「重大事態」を認定しながら、文部科学省に報告しなかった問題が記事になった。
 取材への回答はあまりにもお粗末で話にならない。極めつけは取材に対して「制度に対する認識が不足していた」とし、第三者委員会を設けて、いじめを調査するとしたらしいが、その必要性を職員は誰も進言しなかったのだろうか。
 だとしたら完全にアウトであり、こうした人物が公立学校の管理職などとして配置されるその隠蔽体質は県内に益々蔓延してしまうのではないだろうか。
 源流には、師範学校がある。範にならないで、こうならないようにという悪しき範を曝け出したように私には感じられる。国も遺憾と言うだけでとどめるのではなく、同校を組織として、何が間違っていたのか明らかにしてほしい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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