日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

一刀両断 実践者の視点から【第320回】  

NEWS

論説・コラム

スポーツマンシップの希薄化
 
 テニス全仏オープンのことである。《加藤未唯 失格騒動からの優勝に「正義が行われた」と絶賛の声〝悪役ペア〟には「謝罪しろ」》(東スポWEB)という見出しの記事は何か変に思える。
 確かにルールにあるのなら解釈の問題であり、感情の問題ではない。こうした判定に感情を挟まないで対応するのが審判員ではあるが、マナーや態度の面で相応しくない場合はそれも注意すべきとなる。しかし、これは非認知のエリアなので裁量に任される。
 今回の場合、判定をした後に苦情があってその判定を覆したのだから明らかな根拠が示されなければならない。納得させる必要があった。
 日常からの差別意識が根底にあって左右されたのなら審判員の問題であって、選手達のマナーとは分けて考えなければならないだろう。
 スポーツマンシップの希薄化を防ぐにはどうすればよいのだろうか。宗教では限界が来ているとするなら倫理や道徳を義務教育の段階で浸透させる必要があるのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

論説・コラム

連載