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一刀両断 実践者の視点から【第446回】

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論説・コラム

羽田の管制官と道徳教育推進教師

 このたびの羽田空港事故では、管制官に見落としの可能性があると報じられた。しかし、管制官は増やさないで行わせると言う視点は更なる過度な負担を掛けることになると推測される。安全よりもお金が先という発想に感じられてならない。
 学校でも兼務兼務ばかりで多忙の要因となっている。こうした思考が日本には蔓延して更に危険性を高めている現実に、仕方ないとしてしまう傾向に麻痺している気がする。
 人を増やすのが基本ではないだろうか。こうした判断や施策を作る面々の功罪を厳しく精査して追求するシステムを作るべきと考える。
 兼務させて形を見繕い、過度な勤務を強いてミスの誘発になる事を知っていてやらせるのだから慢心のなせる悪行と感じられる。
 道徳推進教師の兼務などはその成果を出しているのだろうか。支援室や不登校担当なども取り敢えず作った程度で本気で解決する為に取り組んでいるとは思えない。
 国民はそうした場当たり的な教員現場をあまり理解しているとは思えない。こうした軽々な取り組みはやがて人の命を奪うことに必ずなる。容認することはそれでよいとする加害者となっている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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