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生成AIと学校教育をテーマにパネルディスカッション

12面記事

企画特集

パネルディスカッションの様子。右から伊藤、山口、巳波、真木の各氏

中谷医工計測技術振興財団

 (公財)中谷医工計測技術振興財団(東京都品川区・家次恒代表理事)は10月16日、「科学教育プレスセミナ―」を東京ミッドタウン八重洲で開催。学校関係者向けにオンラインでも配信した。
 テーマは「生成AIを教育にどう活かし、取り組むのか」~「未来の教室」はどう変化する?生成AIと学校教育~で、大学教授や教職員らによるパネルディスカッションが行われた。
 コーディネーターは、神戸大学人間発達環境学研究科教授の伊藤真之氏。パネリストは、東京農業大学教職・学術情報課程教授の山口晃弘氏、関西学院大学副学長の巳波(みわ)弘佳氏、愛媛大学教育学部附属中学校教諭の真木大輔氏らが登壇した。
 パネルディスカッションでは、最初に3名のパネリストが個々の立場から生成AIの現状について発表を行い、内容についての質問が互いに交わされた。
 真木氏は、自身の勤務校での取り組みについて、「校務支援」と「生徒活用」の両面の事例を紹介した。続いて巳波氏が、人材育成の視点から生成AIを使いこなし新しい価値を創出する「AI活用人材」の在り方を提示した。
 山口氏は、教職課程の面から、教員のポジティブ・ネガティブ両面の声を紹介しつつ学習と評価の一体化への期待を述べた。
 次のパートでは生成AI活用の効果と予想される課題について話し合われた。
 最終のパートでは生成AI活用による「未来の教室」のイメージが提示された。ここでは、知識習得のための訓練や授業支援はAIで行い、教師の役割は全体設計とファシリテーションになるのでは、といった「教師の役割の進化」を指摘する意見が述べられた。
 最後に会場参加者とオンライン視聴者らとで質疑応答が行われ、生成AIへの期待と共に、「情報モラル教育」(情報リテラシー)等の諸課題についても意見交換が行われた。
 中谷医工計測技術振興財団では、小・中・高の教育機関向けに2025年(令和7)年度の「科学教育振興助成」を募集している。「個別校助成」「複数校連携助成」「教育支援助成」の3部門が有り、募集期間は11月30日(土)までとなっている。応募は同財団のホームページから。

 中谷医工計測技術振興財団 https://www.nakatani-foundation.jp

会場で挨拶を行う中谷医工計測技術振興財団・松森事務局長

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