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一刀両断 実践者の視点から【第620回】

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医師と教師の違い

 医師が海外での「解剖実習」の様子として、献体の前で自身を撮影した写真をインターネット上で公開したとの記事がある。医師の特別待遇が背景にあるからではないだろうか。医師と教師は似ている部分もあるが、この点は明らかに異なる。
 教師がこうした事をしたならどの様に扱われるだろうか。不適切極まりないし資質が欠如しているのは明らかである為に重い処分もさることながら人権の視点からもかなりのバッシングが起きるだろう。
 それに比べてこの医師は責任を負わず、監督責任者は謝罪で済むのだから理解ができない。そしてしばらく謝罪すれば許されると捉えている節も感じられる。
 こうした倫理観や道徳感が医師界には生まれやすいのではないだろうか。
 特権階級には高い倫理観や道徳感が備わっていないと暴走しやすい。教師に課された免許更新制度を医師にはなぜ課さないのかと疑問を呈した事があった。さらに医師には定年がないという不思議さもある。
 集団接種に教頭として立ち会った際、注射針が突き抜けて液が飛び出ている光景を目にした。この学校医は80歳を超えていた。その後、医師を辞めた話をしばらく聞かなかった。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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