学びをつくる問いと対話のデザイン
18面記事
福島 創太 著
探究学習や研修の設計を指南
本書は「問い」と「対話」のデザインによって探究学習やワークショップ形式の研修を設計していくための実践書である。理論的根拠を踏まえ、学びの場のデザインの実践へ向かえる。
第Ⅰ部で、「いま、どんな学びが必要なのか?」として、学びの場をデザインするに当たり、本質的なことに触れる。テクノロジーの進化、生成AIの台頭、DX等、圧倒的スピードで変化を遂げていく時代を生きるためにリスキリングの必要性を感じさせられた。その上で、今必要な学びのキーワードである垂直的成長を目指す学びの場のデザインの必要性が説かれる。
第Ⅱ部では、「学びの場をどのようにデザインするか?」として実践するための重要なポイントを解説。「学び」をどのように生み出していくのか。その答えは「問いと対話」を中心とした学びの場をデザインすることになる。ここで大切なことは、学びの場において何を実現したいのか、それはなぜなのかということを丁寧に探索していく時間を保障することであり、学ぶ営み自体に関心を引くようにすることだという。そこから「問いの力」「対話の魅力」「問いと対話のデザイン」へと読者の思考に寄り添うように論が展開されていく。
教育関係者をはじめ研修等を企画する方はもちろん、教育問題について学ぼうとする方や、時代が求める学びやその手法に関心のある読者にも読み応えのある内容である。
(2310円 学文社)
(藤本 鈴香・大谷大学教職アドバイザー)