日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

一刀両断 実践者の視点から【第698回】

NEWS

論説・コラム

道徳を行動で示す

 全国講演をスタートして10日を過ぎた。長野県のギフテッド合宿から始まり愛知、静岡、大阪、福井、東濃、京都、浦安、栃木と多くの方と出会う事が出来た。確かに体の疲れはあるが心は躍動している。
 これらの多くは道徳教育研究会なので教師がメインとなるが、その前後に設けている個人面談は多様な方を対象にしている。
 道徳教育研究会の運営を手弁当で行っているのが廣池千九郎を学祖とするモラロジー道徳教育財団である。
 私はその本部がある南柏の近隣に住んでいたが、こうした活動を知らなかった。縁あってそこに呼ばれて千九郎の願った「道徳を行動で示していく」という理念に感銘を受けた。何故なら道徳は考え、議論するで終わっていたからである。
 結果を求めないのだからいわゆる現証(現実としての証明)がない為に観念や理屈にされやすい。その疑問をこの財団は手弁当で何の見返りも求めないで全国の津々浦々で学校の先生方の為に道徳教育を応援したいという一心で取組んで今年は第62回を全国67会場で開催している。講師招聘に関わる費用さえも支出するのである。
 他の教科でもこうした支援が欲しいが、道徳だからできるのかもしれない。さらにほとんどの会場に市長や教育長が同席されて100名を超える教員が喜々として集う。
 もちろん文科省の後援もあり教科調査官とのコラボ講演も頻繁に行われている。道徳の抜本的改革と有益性を発揮して国内に蔓延している負の連鎖を教育により食い止めたいとの願いが伝わってくる。
 各学校に奨励しているのは、二・三時間目の授業を参観させて頂き、四時間目に私が示範授業をして給食後下校、午後は全体研修をしてその後保護者会という4本立を提案している。
 やってみせ!が一番道徳授業では必要なのであるが、そうした経験がないままに教員となるものが大半である。教職課程や教員養成大学はそれでいいのだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。千葉県教委任用室長、主席指導主事、大学教授、かしみんFM人生相談「幸せの玉手箱」パーソナリティなどを歴任。教育講演は年100回ほど。日本ギフテッド&タレンテッド教育協会理事。)

論説・コラム

連載