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私立高校の授業料無償化で公立高校希望が減少 道教委調査

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都道府県教委

 私立高校の授業料無償化の方針を受けて、中学生の15%、保護者の22%が公立高校から私立高校へ希望進路を変更したことが、北海道教委の調査で分かった。理由としては「経済的負担」を挙げる回答が保護者で8割近くに達した。
 調査は今年5~6月、道内の中学生とその保護者を対象にオンラインで実施。中学生から1万8600件、保護者からは1万4876件の回答があった。
 保護者に子どもの進路に関する希望を尋ねると、授業料無償化の方針を知る前は「自宅から通学可能な公立高校の普通科や総合学科」が76・7%だった。
 「転居が必要な公立高校の普通科や総合学科」の3・5%、「公立高校の職業学科」との回答の3・6%も合わせると、8割以上の保護者が公立高校への進学を希望していた。
 私立高校は、自宅からの通学可能な学校が8・3%、転居が必要な学校は2・3%。定時制や通信制、高専、特別支援学校などは計5・6%だった。
 授業料無償化について知った後になると、「自宅から通学可能な公立高校の普通科や総合学科」は57・7%へ減少。転居が必要な学校や職業学科を合わせても公立高校を希望する割合は65・4%へと大きく減った。
 一方、自宅から通学可能な私立高校との回答は23・9%へ大きく増加した。
 この傾向は中学生への調査にもあり、授業料無償化の方針を知る前後で公立高校を希望する割合は約12ポイント減少し、私立高校志望の回答が12ポイント増加した。
 また、私立高校の授業料無償化の方針によって、進路希望を見直そうと思ったかを尋ねると中学生の15・1%、保護者の22・0%が「見直そうと思った」と回答。変更先は私立高校が中学生・保護者ともに8割を超えた。
 私立高校へ変更する理由を複数回答可で尋ねると中学生の73・3%、保護者の78・5%が「経済的負担」と回答した。
 地域別でみると、札幌市などの石狩学区や函館市などの渡島学区、苫小牧市などの胆振東学区といった、私立高校が多くある地域では私立高校へ変更する割合が高くなっていた。

都道府県教委

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