肢体不自由特別支援学級担任の9割、経験5年未満
NEWS 肢体不自由特別支援学級の担任を務める教員のうちの9割が、肢体不自由教育に携わった年数が5年未満である一方、研修機会を得られている割合は6割であることが、国立特別支援教育総合研究所の調査で分かった。特別支援学校のセンター的機能は、認知度は高まっているものの、約半数の学校では、活用した経験がなかった。
調査は昨年9~12月、肢体不自由の特別支援学級を設置している小・中学校の校長を対象に実施。小学校993校、中学校382校から回答を得た。
担任教員が肢体不自由教育の経験年数を尋ねると、1年以上~5年未満が69・7%で最も多く、1年未満が22・3%だった。合わせると、92・0%が5年未満となっていた。研修については、研修の受講機会があるのは63・5%で、6割程度にとどまった。また、担任の約7割は特別支援学校教諭免許状を持っていなかった。
訪問支援や教育相談などといった、特別支援学校の「センター的機能」について、認知度は8割を超えていたが、約半数の学校が活用したことがないと答えた。
活用したことがある内容を複数回答で聞くと「肢体不自由のある子どもの理解と対応」が70・2%、「姿勢や身体の動き、運動・体育等」が50・1%、「校内の環境整備や支援体制づくり」が50・6%だった。
センター的機能活用の課題を複数回答で聞くと、「日程調整が難しい」が42・5%で最も多く、次いで「手続きや申請の仕方を知らない」29・0%、「手続きが煩雑」が20・1%だった。