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自殺調査 指針の改訂案を公表 様式も提示

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文部科学省

指針とともに作成した詳細調査の意向確認の様式。

 文科省は15日、子どもの自殺に関する背景調査について、指針の改訂案を有識者会議に示した。平常時からの備えを具体的に書き込んだ他、調査内容のばらつきをなくすため、聞き取りの様式を作成した。近くパブリックコメントを実施し、年内にも改訂する。
 背景調査は、自殺が疑われる事案を学校が把握した場合に実施することとされている。
 小中高生の自殺者は昨年529人で過去最多となる一方、調査が円滑に進まず長期化したり、専門家が加わる詳細調査の実施件数が全体の約1割に留まっていたりすることを踏まえ、約10年ぶりに指針を改訂する。
 改訂案では、平常時から自殺に備えるため、弁護士や医師、心理・福祉の専門家らが所属する団体などと連携体制を組むことを要望した。これにより詳細調査の委員を迅速に確保しやすくなると指摘した。
 調査内容の様式には、児童・生徒に関する健康状態や家庭環境、全教職員に向けた聞き取り事項などを例示。通院歴や自殺直前のトラブルの有無などを盛り込んだ。これまでは共通様式が決まっていないため、事案によって調査内容にばらつきが生じていた。
 背景調査の実施にあたっては遺族への説明が不十分で、調査が長期化していることが課題とされている。このため、改訂案は、遺族への対応と情報提供の手順についても様式を示して明確にした。詳細調査を実施するかどうかは、口頭ではなく意向確認書で確かめることとし、確認書の様式を作成した。

文部科学省

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