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小学校での情報活用能力の育成 文科省が単元例示す

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中教審

 文科省は10日、次期学習指導要領の小学校の総合的な学習の時間で、情報活用能力を扱う単元例を公表した。具体的な活動を通した学びを充実させるため、描画ソフトでデザインしたロボットをプログラミングで動かす学習などを想定した。教員の指導力向上と負担軽減のため、研修動画や学習者用教材の開発を進める。
 中央教育審議会教育課程部会の「情報・技術ワーキンググループ」と「生活、総合・探究ワーキンググループ」の合同会議で示した。
 特別部会の論点整理で示された小学校の総合的な学習の時間の「情報の領域(仮称)」について、活用に焦点を当てた単元(「ミニ単元ユニット」)を設ける。活動例として、デジタル技術の良い面と悪い面を踏まえ、自分に合った使用ルールを作成し発表する(中学年)、生成AIの仕組みや特性を知るために、AIで絵や音楽を創作する(高学年)などを挙げた。
 この他、情報の適切な取り扱いや特性の理解を中心とした内容を設ける案も示した。スマートフォンやタブレットの長時間利用による健康への影響(中学年)、大量の情報があるインターネットの世界で嘘の情報と正しい情報の見分け(高学年)などの内容を提示した。
 一方、低学年はデジタル技術に慣れ親しむことを目的として、「キーボードやタッチパネルでの文字入力」と「絵を描く、写真を撮るなどの基本操作」の二つに学習内容を整理した。ローマ字入力を体験する時間は、2年生の国語科で行うとした。
 委員からは「探究と情報の親和性は非常に高い。活動を中心としたものと、適切な取り扱いや特性の理解を中心にしたものに内容を分けたことは理にかなっている」などの意見が出た。

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